心に残った修学旅行の光景

高校生の定番は奈良京都

私が住んでいる地域では、高校生が体験する修学旅行と言えば、奈良京都などの関西方面が一般的です。私もそうでしたし、息子も高校時代には関西方面に行きました。現在は、オプションで大阪のUSJまで足を伸ばすことも多々あるようです。さらに、海を渡って四国に辿り着き、名物のうどんを食べるツアーも見受けられます。

今にして思えば、高校生が奈良や京都の良さが分かっているのだろうかと疑問に感じます。神社仏閣の有り難みや、歴史の重みを痛感するのは、もっと経験値が増えてからの方が適しているかもしれません。

それでも、友達とおしゃべりしながら過ごす夜は楽しく、翌日のバスの中はみんな眠りこけていました。

心に突き刺さった光景

奈良京都では、薬師寺や清水寺など、有名な観光地を訪れました。けれど、若僧だった私の感想は「写真と同じ」。やはり、奈良京都の良さを理解できない年齢だったのです。そんな中で、今でも心に残っている光景があります。あれは、京都で哲学の道を歩いている時でした。友達と話しながら散策していたら、突然、一台の自転車が近づいてきたのです。初老に近い男性でした。立ち止まった私たちに、カゴからいくつかの小石を取り出して見せました。

「これ、鴨川の石に絵を描いたんやけど、一つどう?」お世辞にも上手とは言えませんでした。私たちは口々に断ると、足早に立ち去りました。

あの男性は、趣味で絵を描いていたのでしょうか。それとも、生活に困っていたのでしょうか。小石には、京都の観光地が描かれていました。